とあるHSP(繊細さん)の見ている風景
マンタです。
今まで一言たりとも書いてませんでしたが、マンタはどうやら、巷で話題の「HSP(繊細さん)」らしいです。
まだまだ知名度や認知度も低くて、権利も得ていないものですが、身近な方にもきっといるはず。
今回は、そんなマンタの視点から「多分これはHSP特有だろう」と思える景色を切り取って書いていきます。
真面目回に見せかけて雑談回です。
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HSPってなに?
みんなの先生ウィキペディアさん曰く「ハイリー・センシティブ・パーソン(英: Highly sensitive person, HSP)とは、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性(あるいは生得的感受性)を持つ人のこと。」だそうです。
ざっくり言うと、他人の言動、感情、その他光や音などの外からの刺激に対して、生まれつき敏感な人です。
「なんでそんなことで!?」ということで涙したり、光や音の刺激がストレスになったり。
マンタの場合は、特に他人の言動、感情に慌てやすい体質です。
あと、びかびかする光は苦手です。
おっきい音にはびっくりします。
例えば、学校の先生が、生徒全員に向けて、何がしか、強い言葉で叱るとします。
「〇〇くんがこういうことをして、××くんが怪我をした。絶対そんなことしちゃいけない!!」
と、こういった具合に。
このとき、
○○くんも××くんは、自分と関わりのない人間ですし、正直知ったことではありません。
それでも泣き出してしまっていたのがマンタです。
「お前を叱ったわけじゃないぞ?」
と諭されても泣きやみません。
先生はさぞ、困惑されたでしょうね(笑)
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涙腺を縫いとめられたなら
マンタの場合、HSPの症状が特に顕著に表れてしまうのが涙腺です。
周りの人がなんとも思わないことでも、マンタの涙腺は勝手に全開になり、嗚咽で息がで詰まる始末なのです。
先ほど述べた教室の例だけではありません。
高校、大学、社会人になっても、止まることはありませんでした。
怒鳴られればもちろん、諭すような口調、軽い警告、注意、諭し、アドバイス。
言い方がそぐわなければすぐ涙です。
涙腺縫合手術を何度検討したことかわかりません。
ひょっとしてマンタさん、プライド高いんですか? エベレスト級ですか?
ーそうかもしれません。確かに頑固な部分はあるでしょう。
でも、泣くほどのことですかね?(と当の本人も困惑気味です)
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刺激=頭を殴られる感覚
物騒な見出しをつけましたが、一番近いのがこれです。
背後で大声が聞こえたり(怒鳴り声でも笑い声でも)、怒られたり、注意されたり、睨まれたり。
強い刺激が加わった時、マンタの頭はちょうど電信柱に思い切り頭をぶつけたときの状態です。
ぐわんぐわんとして、じわじわと痛みで涙が出てくるあの感じ。
厄介なのは、自分で痛みを増幅させてしまうことです。
「あーすればよかったのに」という後悔や「でもあんたが悪いんじゃないか」という相手への怒り、「そもそも制度自体がおかしいんだ」という環境への恨み、で、結局「周囲のせいにしちゃだめだ」という自責。
これらがぐるぐる回り続けます。
ぶつけた頭をさらにぐりぐり押し付けるようなもんです。
そりゃ泣きますよ、痛いんだもの。
しかも、大抵は2撃目がやってきます。
叱られたとき、怒られた時など、相手が明確にいる場合です。
「泣けばいいと思っているだろう」という批難であったり、
「怒ってないよ」という困った顔であったり、
「え、そこで泣く?」という困惑やドン引きの顔であったり。
批難されればそりゃ傷つくし、相手を困らせたとなればなおのこと自分を責めます。
困惑やドン引きは、シンプルに怒りが増大します。
1回目で持ちこたえても、この2撃目で涙腺ダムは崩壊してしまうわけです。
ああああ・・・・・・。
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どうすればいいんですかね
対処方法があれば教えて欲しいところです。
心理学系の本にあるのは様々ですが、大抵は
「考え方をポジティブにして、全てを受け入れよう」
「書き出して分析して、何が悪いか考えよう」
などなど。
しかし、マンタはどれもうまくいきませんでした。
考え方をポジティブにしても、頭を殴られれば(怒られたりすれば)、とっさに切り替えることなどできません。
だって進行形で痛いんですから。
何が悪いか考えよう、と言われても、もうすでに、怒られた時点で散々自分を責め切っているのです。
これ以上自分を責めるのは、殴られた頭をさらにすり潰すようなものです。
あいたたた・・・。
マンタはとりあえず、「諦める」という選択をしました。
つまり、刺激を受けない環境に一度身を置いて、諸々リセットすることにしたんです。
色々頑張りすぎて、疲れてしまったんです。
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最後に 案外素敵でもあるけどね
さて、ここまでほとんど愚痴のような内容になってしまいましたが、最後は綺麗にしめくくりたいと思います。
最初に言った通りHSPは、外からの刺激に敏感に反応してしまう性質があります。
裏を返せば、いい刺激もまた、他人よりたくさん受け取れるようなのです。
道を歩くだけで、実にたくさんのものに気がつき、気をとられます。
空き地にちらほらと咲いた小さな青い花であったり、
どこかの家からか香ってくる、シャンプーの香りだったり、
地面に落ちている意外な落し物だったり。
友人のちょっとした悩みの片鱗であったり、
家族のさりげない愛情であったり。
悪い方向に憶測して自滅することがあると同時に、
良い方向に解釈して、ちょっとしたことも大きな幸せに感じられる瞬間が多々あります。
マンタは現在、休職中の社会人、という刺激の少ない日々を送っているはずですが、毎日の充実感はほどよく感じられています。
他人にとっての退屈は、マンタにとっての安らぎなのかもしれません。
いつか、こんな自分でも、暖かく迎え入れてくれる場所が見つかる、そう想いながら、今日も今日とて紅茶がおいしくて幸せなマンタです。